電氣學會雜誌
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圓〓の電磁波分布に及ぼす効果(一)
菊池 秀之
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1932 年 52 巻 524 号 p. 243-252

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抄録

1箇の圓〓をZ軸にとり平面電波Ezが到來したときの電磁波電場の強度IzをMaxwell基本式より直接求めると
Iz=1/2{1+W02+2 W0cos[2πr/λ cos ψ-(θ123)]}=1/2{1+W02+2 W0q}
(r, ψ)は極座標,λは到來電波長
W0:圓〓の物質,牛徑及長さによつて定まる再輻射係數
θ1:圓〓の物質,半徑によつて定まる再輻射角
θ2:2πr/λ- π/4
θ3:圓〓の物質,長さによつて定まる再輻射角
電場強度最大點の軌跡はq=1とおいた場合で圓〓を焦點とする抛物線群となる。
2πr/λ (1-cos ψ)=(2n+1+ 1/4)π n=0,1,2,…之を「第1種干渉波頭抛物線群」と云ひ圓〓は到來電波に對して「眞の共振」にあると云ふ。
2πr/λ (1-cos ψ)=(2n+1)π n=0,1,2,… 之を「第2種干渉波頭抛物線群」と云ひ圓〓は到來電波に對して「見掛の共振」にあると云ふ。
2箇以上の圓〓を進來電波電場においた場合は各圓〓の呈する干渉波頭抛物線群は重疊する。
この干渉波頭抛物線群を測定する事によつて,任意の物質,半徑及長さを有する圓〓固有の再輻射係數と再輻射角を定める事が出來る。又相等しい2箇の圓〓を到來電波に直角の方向におくと各圓〓の呈する干渉波頭抛物線の交點があり,その點では電場強度が倍加されてゐる。この點の位置と強度とを測定する事により單圓〓の再輻射係數と再輻射角を定める事が出來る。

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