1932 年 52 巻 532 号 p. 842-849
二つの直列なる飽和變壓器の二次を反對方向に結ぶ場合並に變壓器のY△結線に於て,二次捲線と靜電容量とよりなる二次直列共振回路中に起る共振振動が,一次端電壓を上昇する爲に起る鐵心飽和に從つて如何なる共振態となるかを考察する。この結線に依れば基本波電流を相消殺せしむる爲,高調波共振電流を明かに觀察するに適すべし。二次共振はその發生上よりみて半周期毎に起るPeriodic transient resonanceとなし,その共振周波數より此等の共振態を分類せり。
この場合認められる共振の周期的變化或は二周期振動態に就て述べ,此等は由來論ぜられてをる鐵共振に關する異常現象と相共通する特性と見らる。
本稿は次の諸項に別つ。