抄録
直線状導線をその中央點に高周波電源を接續して勵振する場合,饋電點のインピーダンスを知ることは短波空中線設計上重要である。これを求める爲に筆者は導線上の強制振動電流の分布を調べた。
初め電流分布を正弦的とし,これに依つて導線に誘起される起電力を計算し,電流の正弦的分布に補正を加へた。次にこの補正項を利用して饋電點のインピーダンスを導出した。導線の全長が半波長の奇數(2n+1)倍のときには(電流腹饋電)饋電點のインピーダンスは
30{0.577+logε2(2n+1)π-Ci2(2n+1)π+jSi2(2n+1)π}オーム
で與へられ,全長が一被長の導線の場合(電壓腹饋電)には此のインピーダンスは導線のサーヂ•レジスタンスを√L/Cとして
2L/C/(99.54+62.71j)オーム
で與へられるのを示した。最後に電壓腹饋電の場合饋電點の電流は供給起電力よりも進んだ位相に在り,饋電點より僅か離れた所に電流と電壓とが同位相になる點があるのを示した。