電氣學會雜誌
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Barkhausen及びKurzの波長式に就て
藤本 永三園田 忍
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1934 年 54 巻 557 号 p. 1271-1277

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抄録

Barkhausen及びKurzの波長式を吟味し,三極眞空管の電極電壓及び電極寸法により電子振動の波長が如何に變化するかを詳細に調べてある。これによると,
I. 補極電壓を一定に保つ場合
陽極電壓を減少するにつれ波長は常に減少し,その極限波長は與へられた補極電壓の平方根逆に例し,且つ補極半徑に正比例する。尚陽極電壓に關する波長變化の割合は陽極半徑(rp)と補極半徑(r)との比(rp/rg)が大なる程大である。
II. 陽極電壓を一定に保つ場合
rp/rg_??_≤9なる眞空管では,またrp/rg>9なる眞空管でも與へられた陽極電壓が零或は正の場合には補極電壓が増加するに從ひ波長は常に減少し,極限波長は零である。
rp/rg>9なる眞空管では與へられた陽極電壓(Ep)が負なる場合下記の補極電壓(Eg)
E'g=αEp,E"g=βEp
にて波長(λ)は夫々の如き極小値及び極大値をとる。
λmin=n-α/√-α(1-α)•Crp/√-Ep
λmax=n-β/√-β(1-β)•Crp/√-Ep
こゝで C常數,n=rg/rp
α/β=1/2{(3n-1)±√(1-9n)(1-n)}
Eg'_??_Eg>0及びEg"_??_Egなる補極電壓の二つの範圍では補極電壓が増加するにつれて波長は減少し,極限波長は前範圍ではλminで後範圍では零である。
Eg"_??_E_??_Eg'なる補極電壓の範圍では補極電壓が増加すれば波長は却つてλminからλmaxまで増加する。

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