抄録
猪苗代湖の利用水深は從來0.97mの處實際には0.8m位であつて,それ以下の水を隧道を作つて利用することは多年考へられて居つたが實現出來なかつたのを,電源擴充應急對策として世界記録的の大水量のポンプを所謂電撃的に製作竝に据附をして本年度の渇水期に使用した。之に使用した電動機は周波數低下の時こそ役に立たせる必要の爲,大容量の抵抗器を附して普通の場合速度を下げて運轉することとした處,之が或程度水量調整にも役立ち,減速齒車は竪軸としては稀の大型である爲諸種の點で新設計とし,ポンプは急速据附に適するやうな型とし,基礎はコンクリート工事の期間を短縮するやうにした處を示し,運轉成績の一部を記述した。