抄録
誘導結合型無電極メタルハライドランプは電極がなく始動が難しい。本報告ではランプ設計面を含めて始動性に関与するパラメータを総合的に研究した。グロー放電開始電圧は始動補助放電管への高周波印加電圧で評価し、アーク転移はグローが生じた状態でアーク転移した誘導コイル電流にて評価した。評価パラメータは(1)希ガス種、(2)希ガス圧、(3)誘導コイルとの間隙(4)印加電圧、(5)印加電圧波形、(6)遊離ハロゲン量(7)周囲温度、(8)消灯後経過時間、(9)回路方式である。重いガスをより高圧に封入するとグロー放電が細くリング状に繋がりやすくなり、Xeではアーク転移に要するコイル電流を大幅に小さくできた。寿命中に遊離ヨウ素が発生した場合にアーク転移コイル電流が顕著に増した。他のパラメータも評価し、始動性への影響度を把握した。この結果は発光特性、寿命特性との最適なバランスを求めるための有用なバックデータとなる。