抄録
近年、生活環境の清潔志向に伴い、身近な生活環境改善への関心が高まっている。酸化チタンからなる光触媒は光エネルギーによってにおい等を分解する環境技術として数々の研究、製品への応用がなされている。この効果を利用し、光触媒を蛍光ランプのガラス外表面に成膜した「光触媒膜付き蛍光ランプ」を製作し、点灯時の脱臭効果の測定、及び実環境下での官能評価を行った。結果、密閉容器内での脱臭測定では、一般ランプは初期濃度のままを保ち、光触媒膜付き蛍光ランプは経過時間にほぼ比例してにおい濃度が低下することを確認した。病院施設内での脱臭試験結果では、実環境のにおいの気になる場所で光触媒膜付き蛍光ランプを点灯することにより、においが軽減される効果が確認された。