抄録
狭帯域発光形蛍光ランプと広帯域発光形蛍光ランプによる白色感の差異を明らかにするために主観評価実験を行った。その結果、全色票のうち「白」または「やや色みのある白」と判断した色票の割合が60%以上の色票は、3000Kでは狭帯域ランプの方が広帯域ランプよりも多くなった。両ランプを比較すると、広帯域ランプではPB系が選ばれ、狭帯域ランプではPB系に加えB、BG系も選ばれた。 逆に、6500Kでは広帯域ランプの方が狭帯域ランプよりも多くなった。両ランプを比較すると、狭帯域ランプではPB、P、N系が選ばれ、広帯域ランプではPB、P、N系に加えR系も選ばれた。6500Kでは、3000Kに比べて割合が60%以上の色票の数が狭帯域ランプ,広帯域ランプともに多かった。「最も白い色票」と「好ましい白の色票」と判断した色票は、両者ともにPB系が選ばれた。次に、狭帯域発光形蛍光ランプと広帯域発光形蛍光ランプによる各刺激色票の色度計算を行い、各ランプと基準光源との色差を算出して両者の相関性を検討した。3000Kの相関係数はr=0.85であり、6500Kの相関係数はr=0.77であった。 実験結果と測色計算結果から、3000Kでは狭帯域ランプの方が広帯域ランプよりも白色感がやや高く、6500Kでは広帯域ランプの方が狭帯域ランプよりも白色感がやや高くなったが、両者間の白色感の差異はきわめて小さいことが明らかとなった。