照明学会 全国大会講演論文集
平成15年度(第36回)照明学会 全国大会講演論文集
セッションID: 62
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順応輝度と順応時間がくつろぎの明るさと雰囲気に与える影響
*石田 享子井上 容子
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抄録

くつろぎに求める雰囲気と光量を明らかにすることを目的とし、被験者10名による評価実験を行った。くつろぎに求める雰囲気を尋ね、床反射率26%・壁93%、光天井または点光源の天井照明、点光源の壁照明を設置、床面照度20lxと150lxで設定した評価空間に入室、被験者は自由視によりくつろぎに適切な明るさに調光し、室の雰囲気評価を一定時間ごとに繰り返し行った。前順応の違いは入室後32分経過時の明るさ設定に影響を残したが、その差は15lx以下であった。また、入室後9分までの設定照度は大きく変化するがその後の調光ではあまり変化せず、9分前後でくつろぎの明るさは安定すると考えられる。9分までの調光で特に変化が大きいのは前順応150lx時の点光源の場合であり、原因として光源のまぶしさが考えられる。くつろぎの満足度は、前順応の影響は少なく、照明方式による違いが顕著に現れ、今回の条件では、最も満足度が高いのは壁に点光源を設置した時で、最も低いのは光天井であった。満足度に関しても9分以後の評価は安定していた。雰囲気評価は、経過時間に伴う変化はほとんど見られなかった。また、前順応20lxでは光天井よりも点光源を用いた方がくつろぎに求められる雰囲気に近い。よって、前順応が異なる場合、経過時間に伴い求められる明るさの設定照度の差は小さくなるが、雰囲気は大きく変化しないことが示せた。

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© 2003 照明学会
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