抄録
水銀蛍光ランプは高輝度、高効率であるが、水銀を用いているため環境や人体に悪影響を及ぼす。そこで、我々の研究室では、水銀蛍光ランプに変わるキセノンを封入した希ガス蛍光ランプの研究を行っている。キセノンは水銀と異なり周囲温度に影響を受けずに、常に一定の光出力が得られるという利点がある。しかし、希ガス蛍光ランプは水銀蛍光ランプに比べて、輝度、効率が低い。高輝度を得るには電流を増加させ、陽光柱を拡大することが必要となるが、電流を増加していくと陽光柱が収縮して線条になってしまい輝度が低下してしまう。我々の研究室では、これまでの研究で、外部電極を設置することによって陽光柱の収縮を防ぎかつ拡大することで高輝度、高効率を達成している。より輝度、効率を向上させるには、この外部電極を設置したランプの内部のプラズマ中での励起、遷移過程などの詳細な特性を知ることが重要となってくる。そこで、レーザ誘起蛍光法(LIF)を用いてこの外部電極を設置しているランプをパルス放電させたときのプラズマの計測によって、励起原子の準安定密度の空間分布を測定した。