照明学会 全国大会講演論文集
平成18年度(第39回)照明学会 全国大会講演論文集
セッションID: 74
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高齢者に配慮したLCD表示色最適化に関する研究
低輝度における色覚特性の定量化
*藤田 徹也中嶋 芳雄高松 衛
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抄録

 本研究では,白内障疑似体験ゴーグルおよびLCDを用いて,高齢者が情報機器を利用する上での画面表示色の最適化を行うことを目的としている.今回は白色光に対する明るさマッチングの手法を用いて,PC画面表示において低輝度領域での色覚特性を測定する実験を実施した.  実験方法の概略は次の通りである.LCD中央部分の左側に視距離30cm,視角2゜,輝度15cd/m2の円形の白色参照光を提示し,右側に同じ大きさの刺激光を提示する.被験者のタスクは刺激光のHSV輝度を調整し,左右の光の明るさが同一と感じられる点で応答することである.それぞれの実験をHSVの色相12色(30゜間隔)について実施する.次に白内障疑似体験ゴーグルを装着し,約20分間明環境で順応させた後,同様の実験を実施する.  実験結果より,ゴーグル装着時,すなわち高齢化視環境下では,B(青色:色相240°)を中心とした領域で視認性の低下が見られた.また、Bに対してGまたはR成分を100%以上含む領域では感度が改善されることが明らかになった.

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© 2006 照明学会
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