抄録
本研究では、サンマ漁用集魚灯の省エネルギー光源の開発を目的として、LED集魚灯を提案してきた。これまでの研究で、サンマの視感度に合わせたLED集魚灯の設計・試作を行い、実際に集魚試験も行ってその有効性を実証してきた。さらに、LEDの個数低減、広範囲への光照射を目的として、指向性の広い5 W型ハイパワーLEDを用いてLEDパネル光源の試作を行った。しかし、5 W型LEDは発光効率が低く、発熱が大きいため、本格的な放熱対策が必要になり、小型軽量化の点で問題点があった。そこで今回、1 W型ハイパワーLEDを用いた集魚灯の検討を行った。試作したLEDパネルには発光色が白、緑、青緑のLEDをそれぞれ48個、96個、96個ずつ、計240個のLEDを使用して、横324 mm ´縦 780 mm、質量約7 kgの矩形パネル光源を試作した。照度分布測定を行ったところ、照度の半値幅は約1 mであった。通常の漁船の電気竿の間隔(1.5 m~2 m程度)および高さ(3 m程度)を考慮すると、この半値幅は十分な大きさであると考えられる。