抄録
縞投影法は余弦波状の格子縞(フリンジ)を物体に投影した画像より2次元位相分布を算出し,位相接続により形状復元を行う方法である。しかし,ノイズや急峻な形状変化のため特異点が発生し,積算誤差が生じる問題がある。この問題を解決する方法として,カットライン法,Minimum Spanning Tree法,Maximum Spanning Tree法などが報告されている。筆者らはクローズ型カットライン法を提案している。提案したクローズ型カットライン法は位相ジャンプを破断する特異点を検出し,異符号の特異点をペアー化し,カットラインを隣接する振幅値の積を枝の重みとした最短経路問題としてDijkstra法を用いて選択し,カットラインを横切らないように位相を接続する。本文はフリンジ画像にノイズを付加することにより特異点が移動することを利用し,カットラインを敷設する方法を示し,
形状復元を行った実験報告である。この方法により,Dijkstra法を用いずにクローズ型カットライン法のカットライン経路敷設の自動化が行える見通しが得られた。