抄録
ファイバブラッググレーティング(fiber Bragg grating,FBG)はひずみを印加すると反射波長がシフトすることから,ひずみセンサとしての特性を有している。筆者らは橋梁やダムなどの人工構造物や岩盤崩落などの危険区域の健全度を把握することを目的としたヘルスモニタリングシステムの構築を企図している。反射波長の等しい同一特性のFBGを用いて多点測定を行うと、FBGの設置位置と反射光との対応関係が不定になるため、光周波数掃引による光周波数領域反射測定法を用いて多点化を行った。実験は光周波数掃引が行える波長可変レーザと不等光路型マイケルソン干渉計を組み合わせ、同一反射波長のFBGの多点化と異なる反射波長のFBGの多点化によるひずみ測定についての実験報告である。本文は同一ファイバ上に設置した同一反射波長のFBGの反射スペクトルを各々独立に分離して測定でき、等距離に設置した異なる反射波長の複数のFBGの反射スペクトルを同時に算出できることを示した実験報告である。