抄録
ストレス社会ともいわれる現代では,リラックスやヒーリング効果を与える製品が多くの注目を集めている.近年,照明分野においても色相や明暗の違いが及ぼす心理効果を応用した製品が,数多く開発・商品化されている.これは,色相の違いによって得られる心理効果を巧みに利用している.
また,青色LEDの実用化に伴い,照明分野においてもLED化さらには多色仕様が進んでいる.これにより,様々な色を自由に照明に取り入れることが可能となった.そこで,本研究ではLEDの多色性を利用し,LED照明装置に様々な色を表示させ被験者に観測してもらい,それをSD法にて評価してもらう.
結果として,基本色であるR,G,Bでは評価が安定して高いことが示された.その中でもRの活動性並びにGの癒しの評価が極めて高いことが示された.就寝時などは評価性と癒しのポイントの高い色(主にGからBの範囲の色)を使うことが望ましいと考えられる.また,活動時には評価性と活動性のポイントの高い色(主にRを含んだ色)を使うことが望ましいと考えられる.