抄録
これまで著者らはRGB蛍光灯による照明装置を用いて,生活行為を想定した室内照度・色温度の好ましさに関する評価研究などを行ってきた1)。しかし,LED という新しい光源下で蛍光灯から得られた結果がそのまま利用できるとは限らない。またRGB蛍光灯器具はすでに生産完了しており,インターフェースを含めてすべて特注品となってしまう一方,RGB LEDによる調光調色装置はPCで制御できるものが市販されており,これらを組み合わせることで比較的容易に実現可能になっている。しかし,一般には分光分布まで測定した上で実験が行われることは少ないであろう。
そこで本研究ではRGB LED光源の特性を分光分布も含めて把握するとともに,これまでの既報の実験等に用いてきたRGB蛍光ランプによる装置との違いを明かにすることで、RGB LEDを利用した照明に関する研究に寄与するデータと知見を提供し、異なる光源の下で人間の心理的変化を比較して検討することが目的である。