主催: 社団法人 照明学会
最近、我が国では青色照明が防犯に効果的であるとされ、街路照明に広く用いられている。本稿では、薄明視レベルでのエネルギー効率、メラトニンの抑制率の観点から、最近の街路照明でよく行われているように、昼白色蛍光ランプ(WFL)を青色蛍光ランプ(BFL)に置換した時のメリットとデメリットを既存のモデルを用いて計算解析した。 その結果、薄明視レベルでのエネルギー効率に関して、明所視輝度と薄明視輝度のいずれを指標としても、BFLはWFLの輝度を上回らないことがわかった。WFLからBFLに変える場合、明所視レベルで照明する場合はWFL 1灯あたりBFL 3灯、薄明視レベルで照明する場合は、BFL 2灯に代替する必要がある。メラトニンの抑制率に関して、BFLのほうがWFLよりもメラトニン抑制効果が高く、BFLで13 lx程度からメラトニンの抑制が始まることがわかった。一般的な街路照明ではメラトニンは抑制されないが、街路照明器具が居室の窓に近く、窓から侵入する青色光の照度が13 lxよりも高いと、メラトニン抑制が始まる可能性がある。