抄録
液晶バックライトの低電力・長寿命化を図るためには高電子放出で耐スパッタの陰極材料を用いることが必要である。そこで本研究ではCCFLの電極材料として使用されているNiカップ電極の放電特性と、NiカップにMgO薄膜を被膜した電極の放電特性を比較した。
実験に用いた放電管は内径は4mm,電極間距離は20mmである。放電管の両端のカップ電極(直径2.7mm)材料として、一方の電極にはNiを用い,他方の電極にはMgO薄膜付Niを用いた。放電にはNeガスを使用した。NiとMgO薄膜付電極の放電特性を同一条件で比較するために交流電圧を印加した。放電開始電圧と維持電圧は、高圧プローブ(1000:1)とデジタルオシロスコープを用いて測定した。MgO薄膜付電極の維持電圧はNi電極での各電圧より低下した。使用後の細管ランプのMgO薄膜付電極では細管内にスパッタ膜がほとんど生じなかった。