全人的医療
Online ISSN : 2434-687X
Print ISSN : 1341-7150
症例報告
運動器リハビリテーションの介入で症状が改善した筋痛性脳症/慢性疲労症候群(ME/CFS)の一例
喜山 克彦岡山 知世志田 直樹内山 友香理永田 勝太郎志和 悟子大槻 千佳雨宮 久仁子
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2020 年 18 巻 1 号 p. 29-40

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抄録

筋痛性脳症/慢性疲労症候群(ME/CFS)は,原因不明の慢性で深刻な疲労,広範な痛み,睡眠障害に多彩な症状を呈する疾患である.【症例】14歳女性,ME/CFS,全身のアロディニア,両手指,両足趾の屈曲拘縮.日常生活活動(ADL)は機能自立度評価(FIM)で51/126点を認めた.【経過】補法による治療に加え,理学療法士(PT)によるリハビリテーションを行った.【結果】ME/CFSの症状およびADL(FIM 110/126点)は改善した.【考察】ME/CFS患者の活動性レベルは約50%以上の低下を来す.ある患者はひきこもりや寝たきりとなる.労作後の消耗や疲労感はME/CFSの最も顕著な特徴であり,診断基準にもかかわらず,患者たちはしばしば不適切な運動を処方される.本症例は,補法および患者の持つ資源の活用,担当PTによる適切なリハビリテーションによりADLが改善したと考えている.

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© 2020 公益財団法人 国際全人医療研究所
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