抄録
近年,コンピュータ·グラフィックスを用いて,雲や炎,波などの自然現象を表示する試みが多く行われている.本論文では,雲の画像を高速に生成する手法を提案する.雲はアルベドの高い粒子から構成されており,多重散乱光成分の影響が大きいということが知られている.提案手法では、雲の密度分布はメタボールの集合により表現する.メタボールはその内部に濃度分布を割り付けた球であり,メタボール間での光を授受を計算することで多重散乱を考慮した雲のレンダリングを行う.このとき,標準グラフィックスAPIの一つであるOpenGLを用いて画像生成を行い,メタボールを階層的にグループ化することで,計算時間の短縮とメモリの大幅な削減を実現する.提案手法を屋外景観画像に適用しその有用性を示す.