画像電子学会誌
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論文
広範囲の運動の三次元復元と解析法
田房 友典タン ジュークイ石川 聖二
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2002 年 31 巻 6 号 p. 1175-1182

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抄録
人の運動の三次元解析は,スポーツ分野における記録の更新,医療やバイオメカニクスの分野におけるリハビリ運動の訓練評価,人の運動の特性解析や比較などに利用でき,応用分野の広さから,容易かつ高精度の復元システムの構築が求められている. 被測定者の運動する環境で三次元データの取得を行うには,カメラを用いた非接触方式が妥当である.非接触方式の代表例としてステレオ法や因子分解法を利用した三次元復元法があるが,カメラ固定のため計測範囲が限定される.すなわちカメラの前で行われる運動しか復元できない.広範囲の運動に対応した,DLTに基づく三次元復元法が提案されているが,計測範囲の拡大に伴いカメラ台数の増加やカメラキャリブレーションが困難になるという問題がある. 本論文では,移動カメラを用いた広い計測範囲を持つ三次元復元法を提案し,人の運動の三次元解析に適用する.本法は,カメラキャリブレーションが不要であり,被測定者が広範囲に移動しても複数のカメラでそれを追跡しながら撮影することにより,つなぎ合わせを行うことなく全運動の復元が可能である.提案法を用いて広範囲に移動する人の運動を復元し,その運動特性を解析した結果を示す.このことにより,提案する復元法の有効性および有用性を示す.
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© 2002 一般社団法人 画像電子学会
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