2003 年 32 巻 4 号 p. 397-406
本研究では,拡張現実感の技術を用いて,書籍を表示するためのインタフェースの構築を行う.本システムは,キャリブレーション処理,幾何補正処理,ページ認識処理,画像表示処理の四つの処理からなる.キャリブレーション処理では,プロジェクタ座標系,画像座標系,世界座標系の三つの座標系のキャリブレーションを行う.幾何補正処理では,投影面(ブックスクリーン)が非平面であるため,投影する画像を補正する必要がある.そのため,マルチベースラインステレオ法を用いて,ブックスクリーン表面の三次元座標を求め,投影する画像の補正に必要な幾何情報を取得する.ページ認識処理では,ブックスクリーンのページ番号を認識するためのバーコードを利用し,CCDカメラを用いて,ページ認識を行う.画像表示処理では,ページ認識結果からページに対応する画像を選択し,幾何情報をもとに補正画像を生成する.そして,補正画像をブックスクリーンに投影する.最後に試作システムを用いて実験を行うことにより,本手法の有効性を示す.