2005 年 34 巻 4 号 p. 405-411
半径が未知の円を観察しながら,円に対する相対的なカメラの位置と姿勢を推定する方法について述べる.ヘリコプタの着陸において,パイロットは着陸地点に描かれている(円を一部として含む)マークを目標として着陸を行うが,このとき,着陸地点に対する自己の位置と姿勢を,マークを見ながら推定しているものと思われる.これに倣って,本稿では,マークの一部である円を単眼で観測することによって得られる時系列画像を用いて,再帰的手法により,カメラの位置と姿勢を推定する方法を提案する.また,合成データを用いた実験,および研究室内でのシミュレーション実験により,その精度について検討した.