画像電子学会誌
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論文
情報を埋め込んだ誤差拡散画像のブロック符号化の評価
加治佐 清光
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2008 年 37 巻 2 号 p. 133-142

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抄録
本稿は,既に提案した誤差拡散画像への情報埋め込み方式と誤差拡散画像のブロック符号化方式を組み合わせて,情報を埋め込んだ誤差拡散画像のブロック符号化の評価実験を行った結果について述べる. 評価実験の結果,使用した試験画像N1のC成分では,埋め込み情報量,圧縮率および画像品質の観点から,情報埋め込みのために設定する2値化のしきい値の許容値であるtoleranceは64が最適であることが判明した. これにより,埋め込み情報量を最大までの可変としても,画質劣化を小さく抑えられる. また,Jarvice誤差拡散法では圧縮率を大きく改善できる. 例えば,Floyd誤差拡散法の場合,埋め込みがない場合の圧縮率が46.8%,MAE(平均絶対値誤差)が4.6であるのに対し,総画素数の58%に相当する最大埋め込み情報量を埋め込むと,圧縮率は44.1%と改善され,MAEは6.0と1.4だけ劣化する有効な結果が得られた.
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© 2008 一般社団法人 画像電子学会
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