画像電子学会誌
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論文
舞踊動作を表す構造変数と時空間変数の比較
—日本舞踊を題材として—
吉村 ミツ八村 広三郎
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2008 年 37 巻 4 号 p. 396-404

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抄録
本研究では,モーションキャプチャ装置で計測した舞踊動作について,構造に関する変数(構造変数)と時空間に関する変数(時空間変数)を計測し,動作および動作者を識別する性能を基準にして,どちらが情報を多く含むか を比較している. 対象舞踊動作は日本舞踊の「娘形作品」で多用される基礎動作「オクリ」である. 用いたデータは,熟達した舞踊家が,概念的説明をしようとして踊った動作と,その生徒の2舞踊家,および3人の初心者が同じ動作を各複数回踊った動作を,モーションキャプチャ装置で計測したものである. 構造変数は,吉村らが定義した48種類の指標,およびそれらの比で表したものである. 時空間変数は,モーションキャプチャ装置から出力された,31個のマーカ及び「オクリ」に関係のある対象部位 8個のマーカのy座標,およびルートマーカとの相対座標である. 本研究では,複数の動作を識別できるか,複数の舞踊家を識別できるか,という2種類の実験を行い,どの変数が高い正答率を与えるか調べている. 実験の結果は,31個のマーカのy座標時系列を利用した場合が高い正答率を与えていた. その中でも相対座標系で行う方がよかった.
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© 2008 一般社団法人 画像電子学会
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