抄録
ネットワークを介した動画像コンテンツ利用サービスが拡大している.動画像コンテンツは個々のコンテンツ容量が大きいため,利用環境に依存してデータ配信時にシステムが不安定になる課題を有する.そこで,配信システムと連携した情報管理が重要となる.我々はこれまで動画像コンテンツ配信方法としてキャッシュ型配信システムを提案してきた.本研究では,配信負荷分散に対応したコンテンツ配信を目的とし,本システムにおけるコンテンツ利用率を考慮した情報管理方式として,時間価値関数を利用した情報管理方式を提案した.コンテンツキャッシュ配信システム内の情報更新周期とコンテンツ利用情報の有効期間を考慮することで,コンテンツの優先度を考慮した情報管理を実現する方法である.提案情報管理方式を利用したキャッシュ配信システムにおいて,シミュレーション実験によりその有効性を明らかにした.