画像電子学会誌
Online ISSN : 1348-0316
Print ISSN : 0285-9831
ISSN-L : 0285-9831
論文
2重モデルに基づくパーティクルフィルタを用いた不規則運動物体の追跡
椎名 雄飛池永 剛
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 40 巻 5 号 p. 823-832

詳細
抄録

パーティクルフィルタは多数の粒子を用いた予測に基づく手法であり,ロバストな物体追跡アルゴリズムとして様々な応用がなされている.しかし,一つの状態遷移モデルを用いて粒子の次状態を決めているため,不規則に運動する物体に対しては追跡精度が損なわれるという問題があった.そこで本稿では,不規則運動物体の追跡を対象として,二つの状態遷移モデルを用いた2重モデルに基づくパーティクルフィルタを提案する.本提案では,性質の異なる二つの状態遷移モデルを同時に用いることにより,物体の急な方向転換などに対して安定した追跡を可能にしている.本アルゴリズムをソフトウェア実装し,ボールが壁や床でバウンドするような不規則運動が発生するシーンに適用した結果,従来手法と比較して高精度な追跡が可能なことを確認した.

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 画像電子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top