抄録
画像処理の応用では,複数の画像フィルタを組み合わせて特徴的な部分を抽出することが行われるが,問題に応じた設計を必要とする手間のかかる作業であるため,遺伝的プログラミングを用いて自動構築する提案がこれまでになされている.しかし,性能の安定性と画像処理に用いる数値パラメータを同時に生成する方法が課題となっている.本論文では,画像と数値のペアを処理するフィルタで表現されたプログラムを,学習サンプル群に対する処理性能の平均値及び最低値の2つの指標による多目的遺伝的プログラミングで,自動生成する手法を提案する.提案手法を,花の写真の背景除去課題に適用し,画像条件の変化に対して従来より安定した性能を得られること確認した.