2015 年 44 巻 2 号 p. 328-335
本稿では,2つの形態の静止画メディアによる教材を用いた聴者の手話学習特性の実験的な検討を述べる.広く利用されている手描き手話イラストによる教示用画像と,実際の手話発話を撮影した動画像から合成した手話表現静止画像による教示用画像とを対象として,学習実験に基づいた学習上の特性を検討する.実験結果から,手の形などについてはイラストがわかりやすいこと,文章(手話会話文)や顔の表情などの表現においては動画像から合成した教示用画像が有効であることなどの傾向が確認できた.