2018 年 47 巻 4 号 p. 425-432
本論文では2次元プロットを球面へマッピングする手法を提案することにより没入的環境でのデータ観察・分析を可能にする.提案手法では2次元プロットをできるだけ歪みを抑えつつ可能な限り大きく球面へマッピングすることでユーザの視界を広く覆う.ユーザは周囲を見渡すことでデータを確認できるため,通常3次元ユークリッド空間での可視化の際に問題となるような視点位置に起因するオクルージョンは発生しない.本手法を用いることで高次元データを一旦2次元に次元削減したのち球面へマッピングしたり,任意の2次元プロットのマッピングが可能となる.応用例として高次元データの没入的VRデータ可視化やデカールの球面への貼り付けなどを示す.