2021 年 50 巻 4 号 p. 619-624
監視カメラのような広域映像から行動を検出する場合,映像から行動の発生が予想される位置・時刻を行動候補領域として推定した後に,各行動候補領域について行動の種別を分類するという枠組みが一般に採用される.このとき,行動分類の難しさの一つとして,物体の移動方向,物体の位置関係の多様性による‘見え’のパターン変化への対応が挙げられる.本稿では,この問題に対処するため,行動候補領域中の物体の移動方向もしくは物体の位置関係が一定になるよう,事前に行動候補領域を回転,反転する行動正規化を提案する.実験により,ActEV/VIRATデータセットにおいて,ベースライン手法に行動正規化を組み込むことで行動分類精度が向上することを示す.