画像電子学会誌
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論文
Mixed Reality環境によるスポーツ連続写真の等身大可視化の検討とその評価
武藤 駿嗣井尻 敬
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2022 年 51 巻 1 号 p. 28-36

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抄録

一連の動作を一枚の静止画に集約できる連続写真は,スポーツ動作の可視化に広く利用されている.しかし,一般的に連続写真は紙やモニタにより可視化されるため,動作の大きさを把握しにくいという課題がある.そこで本論文では,大きさを把握しやすいスポーツ可視化法の実現を目的とし,Mixed Reality(MR)技術を利用した連続写真の等身大可視化法を提案する.提案手法は,撮影した一連のスポーツ動作を,連続写真・動画・残像付き動画としてMR空間に等身大の大きさで提示する.これにより,ユーザは連続写真を好みの角度から等身大で観察できるため,動作中の姿勢のみでなく,歩幅やジャンプの高さなど,動作の実際の大きさを把握できる.提案手法の動作の大きさ把握に対する効果を確認するため,本研究では,27インチモニタによる縮小表示,プロジェクタによる等身大表示,MRによる等身大表示を比較するユーザスタディを実施した.その結果,等身大表示(プロジェクタ・提案手法)はモニタで連続写真を表示するよりも動作の大きさを高い確信度で正確に把握できることが示唆された.

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© 2022 一般社団法人 画像電子学会
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