近年，スマートデバイスの急速な普及に伴い，セキュリティやプライバシー保護のためのユーザ認証手法として，忘却やなりすましの防止，認証時間短縮などのメリットを持つ生体認証が注目されている．しかし，利用環境の変化による認証精度の低下や認証後の端末の不正利用などの問題が指摘されており，これを解決する一手法として，利用環境認識型継続認証システムが提案されている．本論文では，当該システムに対し，スマートデバイス上で使用可能なリソースに対する制約と，テンプレートの登録・更新時の利便性の低下に着目し，認証精度とリソース消費量のバランスを考慮して生体モダリティを選択する手法，及び認証システムが自動でテンプレートの登録・更新を行う手法を提案し，その有効性を評価した結果について報告する．
