2023 年 52 巻 3 号 p. 405-412
本稿では,青紫色光のレーザ光源を利用したホログラフィ空間投影法の可能性について検討する.本稿で構成した空間スクリーン生成装置では,空間スクリーンにミスト流を採用しており,吸気用と排気用の二箇所に設置したファンにより気流制御を行っている.まず,スクリーン生成装置の構成について述べ,その光学特性を調べた結果を示す.次に,本手法により得られた投影像の結果を示し,その安定性と輝度特性を客観的かつ主観的な手法により評価した結果を示す.さらに,表示像の撮像結果に対して,コンピュータの自動処理により類似度判定を行って,ヒトが良いと知覚するためのスクリーン構成条件を求めた.その結果,各評価結果の間には相関性があり,その傾向に沿ってスクリーン生成装置を構成することにより,青紫色利用時においても鮮明な空間投影像が表示可能となることが分かった.