International Journal of Myeloma
Online ISSN : 2187-3143
総説
移植非適応の多発性骨髄腫患者に対する治療
石田 禎夫
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 3 巻 1 号 p. 12-25

詳細
抄録

30年以上の期間,メルファランとプレドニゾロン(MP)の併用療法が移植非適応骨髄腫患者に対する標準療法であった。最近10年の間に,サリドマイド,レナリドミドやボルテゾミブなどの新規薬剤が登場し,治療の選択肢が増加した。VISTA試験ではMP+ボルテゾミブ(MPB)療法がMP療法に比較して,TTPとOSが有意に延長していた。6つのランダム化比較試験のメタアナリシスでMP+サリドマイド(MPT)療法はMP療法に比較してPFSとOSが有意に延長していた。この結果から,MPB療法やMPT療法が現在の標準療法と考えられているが,レナリドミド+デキサメタゾン療法も良い選択肢になると考えられる。最近カーフィルゾミブとポマリドマイドがFDAで認可された。これらの新薬も多発性骨髄腫に非常に有効である。現在,多くの第2相試験,第3相試験で新規薬剤の併用療法が試されており,新しい標準療法はこれらの新規治療法と比較されることになると考えられる。

著者関連情報
© 日本骨髄腫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top