International Journal of Myeloma
Online ISSN : 2187-3143
原著
多発性骨髄腫に対するmelphalan大量投与を用いたtandem自家移植の有用性
牟田 毅上村 智彦宮本 敏浩大野 裕樹平安山 知子加藤 光次竹中 克斗岩崎 浩己藤﨑 智明衛藤 徹也赤司 浩一
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2013 年 3 巻 1 号 p. 47-54

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抄録

多発性骨髄腫に対するmelphalan大量投与後の自己末梢血幹細胞移植について,単回移植後に経過観察したsingle群49例と,短期間に2回の移植を施行したtandem群53例との間で比較した。両群で,年齢(中央値61 vs. 59歳),及びDurie-Salmon病期(III期84% vs. 70%)に差はなく,移植後の完全奏効はsingle群6例(11.3%),tandem群10例(20.4%)であった(P = 0.2)。5年生存率(46% vs. 62%,P = 0.007),及び3年無増悪生存率(27% vs. 41%,P = 0.02)はtandem群で良好であった。初回移植後に敗血症で2例の早期死亡を認めた。帯状疱疹の合併は,single群で1例,tandem群で10例であった。Tandem移植後の結果は良好だが,後方視的解析による選択バイアスのため,single移植に対する優位は結論できす,今後の検証が必要である。

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© 日本骨髄腫学会
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