2019 年 9 巻 2 号 p. 12-17
イキサゾミブ治療中の多発性骨髄腫患者に,がん化学療法看護認定看護師と薬剤師がアドヒアランス支援を実施した。看護師が入院中にカウンセリングを行い,セルフケア指導して『生活の目標』(以下,『目標』)を作成した。退院後は『目標』を含む情報を服薬ノートで共有し薬剤師が支援した。対象は9例,カウンセリング中央値5回(5–7)で,経口薬治療であることに焦点をあてた『目標』が2回目までに作成できた。服薬ノートとカウンセリングは有害事象の把握と適切な対処,目標の振り返りや不安の傾聴は治療意欲の維持に寄与した可能性がある。カウンセリングと服薬ノートを用いたアドヒアランス支援は実施可能であり,有用性が示唆された。