抄録
近年,わが国では疾病構造が変化し,感染症に代わって生活習慣病が大部分を占めるようになった。それに伴い医療者と患者の関係も症状があるときだけの一時的なものから生活指導などを含む継続的なものに変化してきた。その際,医療者のコミュニケーション能力が大切な資質であるという認識が一般化しつつある。日常生活でよく使われる程度を表す形容詞や副詞の曖昧さが医療コミュニケーションの妨げになっているという指摘はあるが今日まで実証的研究が行われていない。そこで,本研究では医療者と患者間のコミュニケーションに用いられる曖昧な表現の理解を,職種別,年齢階層別,性別で検討した。その結果,職種間,年代間でずれがあることが明らかになった。この理解のずれは医療コミュニケーションの障害になる可能性がある。従って,当事者間でずれを防ぐ努力の必要性が示唆された。