抄録
2008年2月に日本からフィリピンへ向けて輸出された40フィートコンテナ1本分のカラーテレビを追跡調査し、日本からフィリピンまで輸送、フィリピンにおける修理状況、再販売の状況を調査した。さらに、マニラ首都圏内の中古ショップにて、中古電子電気製品の購入動機等について、消費者113名から面接方式のアンケート調査を行い、購入動機や使用予定年数が4-5年程度であることがわかった。輸入中古電子電気製品は、フィリピン国内の新品需要を代替していることから、新品製造過程の環境負荷を削減すると考えられる。一方で、中古品は新品に比べて寿命が半分程度であるため、フィリピンで最終処分されるテレビの台数は増加する。最終処分・リサイクルが不適切な方法で行われれば、結果として環境負荷が増大する可能性があることがわかった。