日本国内の人口10~30万人の中堅都市は,ここ10年来毎年平均1%~3%程度の人口減少を続けている都市も少なくない.これらの都市は,近年,サービス施設の休廃止・統廃合といった公共サービスの提供エリアを選択的にすることで行政を効率化し,さらに,都市域の縮小化「縮退戦略」を進めることも視野にいれており,なるべく住民の満足度を維持しながら,都市運営の効率をあげる方法を検討している.そこで,本研究では,人口減少している都市の一つである群馬県とくに桐生市を対象に,ごみ処理焼却施設の休廃止をするかわりに,低コストで管理できるコンポスト施設を設置することによって得られる費用便益効果およびCO2排出量削減効果の比較を試みた.ごみ焼却サービスの提供範囲を狭めながらも,低コスト・低環境負荷の代替施設を設置することによって,都市全体のコストとCO2排出量を下げながらも,住民の満足度を下げず,都市としての運営効率をあげる可能性が確認された.