2005年以降の企業内環境教育の動向を調査するために一部上場企業52社の比較研究を行った。「企業活動に伴う環境問題と企業内教育」(梶原豊 2004)であげられた52社の事例を用い、2010年の資料には同じ52社の2010年度版の環境及びCSR報告書を用意した。12の質問事項を52社に適用した結果、2004年から2010年にかけて、企業の環境教育の手法は更に多様化し、十分に教育効果が期待できるほどに成熟してきた。しかし、大手企業で環境教育を行っていない企業があり、「昇格試験に環境要素を含むか」も低いことから、環境教育の本業への貢献が低いことが判明した。いまだ、環境経営における環境教育と経済活動の間にはギャップがある。