近年増加した腹腔鏡手術に対する安楽ケアとしてソフトマッサージの効果ならびに研究方法の検証をするために、消化器がん患者を対象にマッサージ前後の変化についてランダム化比較試験 (RCT) を実施した。男性10名、女性3名 (平均年齢62歳) の対象者の協力が得られた。その結果、体温・脈拍・血圧に有意差はみられなかったが、マッサージ群のKOKOROスケールの 「不安な気分から安心な気分」 は対照群と比較して有意に改善していた。マッサージ後のインタビューから、 「マッサージしているときに痛みがない」 などの発言が得られた。これらのことから、測定値の顕著な変化は得られなかったが、ソフトマッサージは心理的安定に寄与することが考えられる。臨床看護においてRCTの実施はさまざまな困難を伴うため、対象者個別のデータを活用する代替的な研究方法を模索する必要性が示唆された。