日本統合医療学会誌
Online ISSN : 2436-2158
Print ISSN : 2435-5372
原著
統合医療施設におけるがん患者のQOLとスピリチュアルな態度の検討
木村 友昭鈴木 清志片村 宏牧 美輝
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2020 年 13 巻 2 号 p. 118-127

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抄録

目 的:統合医療施設において、がん患者のQOLおよびスピリチュアルな態度を評価し、それらと岡田式健康法との関連を検討する。

方 法:がん患者を対象に、10項目版MOAQOL調査票(MQL-10)、25項目版SKY式精神性尺度(SS-25)、日本語版FACIT-Sp、岡田式健康法(食事法、美術文化法、浄化療法)の実践状況、および宗教性などを測定し、それらの関連を分析した。

結 果:本研究に64人の患者が参加し、大腸がんが20人、乳がんが17人、子宮・卵巣がんが8人、肺がんが6人、胃がんが5人の順であった。MQL-10の合計得点とFACIT-Spの合計得点、ならびにSS-25の合計得点とFACIT-Spの合計得点の間に強い相関が認められた。宗教性得点においては、SS-25およびFACIT-Spとの間に中程度の相関がみられた。岡田式健康法のなかで、食事法と美術文化法の頻度について、各尺度との間に中程度から弱い相関が認められた。

結 語:統合医療施設を受診するがん患者におけるQOLとスピリチュアルな態度、および健康法の頻度との間に有意な関連がみられた。

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© 2020 一般社団法人日本統合医療学会
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