目 的:統合医療施設において、がん患者のQOLおよびスピリチュアルな態度を評価し、それらと岡田式健康法との関連を検討する。
方 法:がん患者を対象に、10項目版MOAQOL調査票(MQL-10)、25項目版SKY式精神性尺度(SS-25)、日本語版FACIT-Sp、岡田式健康法(食事法、美術文化法、浄化療法)の実践状況、および宗教性などを測定し、それらの関連を分析した。
結 果:本研究に64人の患者が参加し、大腸がんが20人、乳がんが17人、子宮・卵巣がんが8人、肺がんが6人、胃がんが5人の順であった。MQL-10の合計得点とFACIT-Spの合計得点、ならびにSS-25の合計得点とFACIT-Spの合計得点の間に強い相関が認められた。宗教性得点においては、SS-25およびFACIT-Spとの間に中程度の相関がみられた。岡田式健康法のなかで、食事法と美術文化法の頻度について、各尺度との間に中程度から弱い相関が認められた。
結 語:統合医療施設を受診するがん患者におけるQOLとスピリチュアルな態度、および健康法の頻度との間に有意な関連がみられた。