都市計画論文集
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初期再開発事業地区における再々開発事業の実現可能性に関する研究
佐藤 和哉中井 検裕中西 正彦
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2007 年 42.3 巻 p. 751-756

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抄録
防災建築街区造成事業、市街地改造事業、初期段階の市街地再開発事業によって形成された再開発ビルは耐用年数や商業の弱体化など様々な理由から衰退しているものがある。本研究ではこれら初期再開発地区における再々開発の現状を把握、実現までの障害を分析し、対応策を考察した上で、今後行われるであろう再々開発事業への示唆を得ることを目的とする。アンケート調査、ヒアリング、資料から次のような結果が得られた。1. 初期再開発地区は全体として約18%が再々開発されており、自主建替え(優良建築物整備事業含む)が多い。2. 市街地再開発事業地区は高度利用地区の設定などにより事業地区指定の意味は大きく、他2事業より再々開発事業の事業種類、手法に制限を与える。3. 初期再開発地区における周辺市街地の状況が再々開発事業の実現可能性に影響を与える。4. 再開発事業に際しての高度利用地区は相応の理由があれば、制度上では解除することも可能であるが、実現には障害がある。よって、再々開発事業を行う場合、周辺市街地の規模を踏まえた事業を行うべきであり、自ずとそれが影響する事業であるという示唆を得られた。
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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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