多種多様な心理療法のなかでも森田療法とマインドフルネスは「人」が本来もっている自然治癒力に働きかけ幸せで健康な生き方の手助けができる治療法といえる。約100年以上前、精神科医森田正馬によって始められた森田療法は神経症患者を対象とした入院治療から、近年その適応範囲が拡大し病気の人の抱く不安に対しても行われるようになった。森田療法では不安や病気の原因を探求するのではなく悪循環に陥った「とらわれ」た心から離れ、今までの不自然な生き方から、自然に従った心のありかた、「あるがまま」の生き方を見いだすことを目指している。この「あるがまま」の生き方は、気づきからはじまるマインドフルネスの生き方でもあり、統合医療の目的でもある「人」がより健康で幸せに生きることといえる。