抄録
大学に入学する学生は,何らかの教員免許を希望することが多い.教員養成課程では教育方法の進化に対応できる知識や指導技術を学び,教育現場に即応できる知識と活動が重視されている.大学は学生に現場に即応できる知識と活動を身につけてから教育実習に送り出したいが,入学してから教育実習までが限られた制約の中では専門教科や専門技術の習得が優先されがちとなる.結果的には子ども達にわかりやすく説明するといった,現場に立つ教師として身につけたい本質的な部分がおろそかにされてしまう傾向になる.本研究では,作品評価データベースを作成する作業に受講者が参加することによって,教員養成課程学生に教育の目的を自覚させ,教員として主体性を向上させる効果が認められた.また,それを実現するための方法として,Webを用いて実装化を試みた.さらにこの方法に基づいて実践したカリキュラムについて報告し,その有効性を検証する.