R&Dの方向性や出願戦略を立案する上で技術動向の分析は重要である。特に最新技術の確認に特許は非常に有効であり、従来から技術動向分析には盛んに用いられてきた。しかしながら果たして特許が知りうる最新の技術情報であろうか。通常、特許出願は新規性喪失を避けるために学会発表や論文よりも優先される。但し、公開制度による18ヶ月の期間は自社出願でない限りその技術内容を知るすべが無い。実際には学会発表や論文のほうが早く出版、公開される。つまり特許としては公開されていない最新技術も学会発表や論文からいち早くキャッチできる可能性があるということである。トムソンサイエンティフィックのAureka®はアイデアシートや論文もインポート可能であり、膨大な情報を効率よく分析できる。最近特に注目されている技術である「RFID」に関する特許の母集団に、最新の論文をインポートしてテーマスケープ(俯瞰図)で確認した結果、インターメックが電波法の改正にともないUHF(極超短波)周波数帯対応のアンテナに関する特許出願をする可能性と、そのポジションが推測できた。