抄録
昨年の発表で解析した試料について、内外の論文執筆者 164 名に、引用の際の評価行為をアンケートした。国内著者からは 50% に近い回答があり、興味あるデータを得た。高評価が約 70%、低評価が約 5% であったが、評価に無関係の引用事由が 20% を超えたのは、方法論の異なる著者の過去の研究結果と合致し重要である。引用評価のあいまいさは評価に無関係な引用が 30% 近くあるからであり、反論・批判意図が非常に少ないのは他の調査と符合する。うち 23 例を抽出、詳細回答を求めた。自己引用・先行研究・批判的引用・文献紹介など、いくつかの知見が得られ、問題が提起された。