抄録
中国では、近年、経済的な発展を背景に都市への人口の集中が続き、文化面での向上が求められるようになり、博物館、美術館、図書館など文化施設の充実に取組んでいる。文化環境の充実には、先進施設の建設だけでは充分でなく、生活の中で生涯を通じ、より多くの書物と出会える場の充実が必要と考えられている。2014年に、北京市西城区で新たな読書の場としての「特別読書空間」(Special Reading Space)の取り組みが開始された。北京市西城区における「特別読書空間」の実施例を検討し、①「特別読書空間」の土地および施設を自治体が運営者に提供、②「特別読書空間」の土地および施設を運営者が提供し自治体が支援、の2つのタイプが存在することを明らかにした。今後、「特別読書空間」の活動が継続されるためには、その評価基準が必要であり、そのための評価活動が開始されたことを紹介した。今後の中国における「特別読書空間」の意義やそのことの持つあらたな社会的な役割についてさらなる解明が必要である。