近年ではビックデータの活用に注目が集まっており,図書館でも,データを活用してサービス改善の方策を検討する試みが見られる。本研究では,インターネットを利用したアンケート調査を行い,図書館利用頻度に関わりのある事柄を分析した。集計結果から,公共図書館の利用頻度及び他の図書館や公共施設の利用頻度の分布の概観を確認し,「インターネット利用」と個人特性のうち「外的没入」が利用頻度に影響を与えるかを分析した。分析結果によれば,公共図書館の利用について,非利用層が半数を超えていること,利用層の中では定期利用層も存在し,他種の図書館や公共施設より利用頻度が高い傾向が見られた。各種SNSの利用状況と公共図書館利用頻度には,弱いながらも有意な正の相関関係が示されたが,インターネット閲覧時間と図書館利用頻度の間に有意な相関は見られないことが分かった。最後に,個人特性のうち,外的没入の度合は図書館利用と関連が無いが,尺度を構成する一部では有意な正の相関が確認された。